少子高齢化の波を受け、現在あらゆる企業が慢性的な人手不足に悩まされています。
特に飲食店や小売店では深刻な問題で、コンビニエンスストアの最大手チェーンであるセブンイレブンが、24時間営業を見直して時短営業に切り替える方針を立てたほどです。
そこで注目されているのが、AI搭載ロボによる店舗無人化の動きです。
スマートレジなどを導入することで従業員数を節約でき、人手不足解消、人件費削減に繋がります。
ローソンやファミリーマートなどのコンビニ大手が取り組み始めている店舗無人化ですが、より最先端を行く小売店があります。それが「TRIAL」です。
TRIAL(以下トライアル)とは、株式会社トライアルカンパニーが運営するディスカウントショップで、大型のスーパーマーケットのような形態をとっています。主に九州で店舗を展開していますが、現在は全国で見られるようになりました。
その売りは商品の安さと豊富さで、顧客からの信頼も厚いです。24時間営業の店舗も多く、大きいコンビニのようだとも言えます。
しかし、24時間営業には人手不足というデメリットがつきまといます。
そこで、トライアルは店舗無人化に取り組み始めました。
まず特筆すべきは、「スマートレジカート」です。
福岡県・佐賀県内のいくつかの店舗で導入されているもので、買い物カートにタブレットが備え付けられていて、買いたい商品をスキャンすることで会計金額がタブレットに表示されます。
また、オススメの商品が買い物客に提示されます。
例えば、豆腐をスキャンして買い物かごに入れると、麻婆豆腐のレシピと必要な材料が表示され、それらを購入する際のクーポンもゲットできるというものです。
便利なだけでなく、買い物が楽しくなりそうな機能ですね。
そして、専用のプリペイドカードでログインしておけば、スキャンと同時に会計が済み、レジを通さずにそのままお店を出ることができます。
これにより、レジ打ちの従業員を削減することができます。
その他の特徴として、カメラの多さが挙げられます。これは普通の監視カメラではなく「リテールAIカメラ」と呼ばれるもので、買い物中の客の動きを捉え、どのような客がどのような商品に興味を持つのかを分析し、商品陳列や仕入れに役立てるというものです。
もちろん監視機能も備えているので、店舗を無人化した際の盗難防止にも力を発揮します。
AIの普及により、こういった試みを行う店舗がこれから増えてくるでしょう。
人手不足のこの時代に有効な対策ですが、いち消費者としてもこれからの動向が楽しみですね。